スペクトラムアナライザ（スペアナ）／シグナルアナライザ

リアルタイム・スペクトラムアナライザの選び方

今日の混み合ったRF環境において、高速移動するRF信号を効率的かつ正確に測定するには、適切なリアルタイム・スペクトラム・アナライザを選択することが不可欠です。ここでは、考慮すべき重要な要素を、実際の用途を用いて図で説明します。 

• 周波数範囲： お客様の用途に必要な周波数範囲を特定します。さらに、帯域外放射と高調波を測定する必要性も考慮します。 たとえば、Wi-Fi信号を扱う場合、2.4 GHzまたは5〜7 GHzのキャリア周波数だけでなく、隣接するチャネルと2次、3次、またはそれ以上の高調波もカバーするスペクトラム・アナライザが必要です。  

• 瞬時の周波と測定速度：リアルタイム・スペクトラム監視などのRF用途では、スペクトラム・アナライザが高速トランジェントや予期しないRF動作を確実に捕捉、処理、表示できるように、スペクトラムの大部分にわたる非常に高速な収集と高いサンプリング・レート、加えて高速信号処理が必要です。信号処理能力が高いほど、「インターセプトの確率」時間、つまりスペクトラム・アナライザが信号を捕捉する確率が100%の確率で、信号が現れたり消えたりする速度の尺度である時間が長くなります（POI時間が短くなります）。 

• 分解能帯域幅（RBW）：高いサンプリング・レートと低いRBWを生成する能力は、信号が狭い間隔で配置されている商用無線帯域や衛星通信など、密度の高い信号環境を識別および分析するために重要です。  

• ダイナミック・レンジ：発信される信号とその反響の振幅が大きく異なるレーダ・システム・テストなどの用途や、RFスペクトラムを監視して不正な送信機の存在を確認する場合、受信機を飽和させることなく強い信号と弱い信号の両方を同時に測定するためにより高いダイナミック・レンジが不可欠です。  

• 感度：感度は、低レベルの信号を検出するために不可欠です。電子戦やリモート・センシングなどの注意を要する用途向けに低ノイズ・フロアのアナライザをお選びください。 

• 特殊なトリガ：高速RFトランジェント、予期せぬ信号、およびまれなRF効果を捕捉するには、スペクトラムの特定の領域に対する電力密度でのトリガ、電力と周波数に対するカスタマイズ可能なトリガ・マスクの適用、特定のパルス幅に関するデータ捕捉の判断など、RFデータに対する新しいトリガ機能が必要です。 

• 強力な視覚化および自動化ソフトウェア：今日の複雑なRF信号を広範囲に解析するには、RF信号、デバイス、システムの研究、開発、検証、およびテストを高速化するための高度なRFソフトウェアと測定自動化ツールが必要です。さらに、定期的なソフトウェア・アップデートを行うと新しいテスト／計測機能を利用でき、スペクトラム・アナライザの価値が高めることができます。  

• 携帯性とサイズ：電気通信、レーダ、電子戦のフィールド検証とテストに携わるエンジニアには、信頼性の高いRFデータを生成しながら、過酷なフィールド条件と動作に耐えることができる、ポータブルで軽量、低消費電力、堅牢なアナライザが必要です。

• 校正とサービス：高品質のアナライザと包括的な機器校正、メンテナンス、修理サービスを組み合わせることで、測定の信頼性が向上し、ダウンタイムが短縮され、長期的な投資の価値が高まります。