概要:3つの投稿からなる、自動車業界におけるオシロスコープの役割について
パート1:2シリーズMSOのポータビリティと性能が自動車業界にもたらすもの
パート2:2シリーズMSOのリモート機能が自動車業界にもたらすアクセスとコラボレーション
パート3:2シリーズ・ミックスド・シグナル・オシロスコープによる車載用シリアル・バスのデバッグ
組込みシステムのアプリケーションは、自動車やトラックから食器洗い機、子供のおもちゃ、携帯電話まで、一般消費者が毎日使うあらゆる種類の電子製品に採用されており、多くの産業で利用されています。組込みシステム市場は、高度運転支援システムや電気自動車、ハイブリッド車などの需要が急増している自動車産業を中心に、2025年には1,162億ドルに成長すると予測されています。
自律走行車の普及が進めば進むほど、あらゆる車両設計においてシステムの数が増え、ドライバとその大切な人の安全を守る多くの重要なサブシステム間でクリアかつリアルタイムな通信を確保するために、高度なツールを用いた包括的なテストが必要になります。
変化する自動車業界
パート2で紹介したように、現在の自動車には、基本的なユーティリティ機能からエンターテインメント、ナビゲーション、エアバッグ・システムまで、さまざまなタスクを実行するために設計された100種類もの電子制御ユニット(ECU)が搭載されていることがあります。多くの車両では、これらのECU間やECUとセンサ、アクチュエータ、ディスプレイとの通信に、複数のセンサ配線を必要としないシリアル・データ・バスを使用しています。
自動車エンジニアは通常、CAN、CAN FD、LIN、SENTなどの車載用シリアル・バスをデコードし、トリガできるオシロスコープを使用した豊富な経験を持っています。これらのバス・プロトコルは堅牢に設計されていますが、ノイズや基板レイアウトなどの問題により、通信が影響を受け、過剰なバス・エラーやロックアップにつながる可能性があります。エンジニアは、車が研究室に置かれていても、サーキットでテストされていても、問題を迅速に特定し、デバッグできなければなりません。
変化し続ける業界における革新的な計測ツール
最近のオシロスコープはプロトコル・デコード機能を備えており、デコードされたバス・トラフィックと信号品質の両方を確認できるため、ラボでのトラブルシューティングやシステムレベルのデバッグに最適なツールとなっています。最近発表されたテクトロニクスの2シリーズMSO(ミックスド・シグナル・オシロスコープ)は、プロトコルのデコードとトリガの機能を備えており、1つまたは複数のシリアル・バスのトラフィックを観察することで、システム内のアクティビティの流れをトレースすることができます。2シリーズMSOは、CAN、CAN FD、LIN、SENTの車載用バスのデコードとトリガが可能で、エンジニアが作業する場所に持ち運べるほど小さいため、フィールドにおけるデバッグのしやすさ、確度、再現性を高めることができます。
自動車エンジニアのワークフロー
以下に示すグラフィックは、自動車エンジニアが現場で2シリーズMSOを使用して新しい情報を取込み、自動車の信号を解読する方法を示しています。
新製品の2シリーズMSOが私たちの自動車業界のお客様に直接貢献できる様々な方法をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
2シリーズMSOの詳細情報と、自動車関連のチームにどのように貢献できるか。