概要:3つの投稿からなる、自動車業界におけるオシロスコープの役割について
パート1:2シリーズMSOのポータビリティと性能が自動車業界にもたらすもの
パート2:2シリーズMSOのリモート機能が自動車業界にもたらすアクセスとコラボレーション
パート3:2シリーズ・ミックスド・シグナル・オシロスコープによる車載用シリアル・バスのデバッグ
現代の自動車産業は動きが速く、自動車エンジニアや技術者は、問題を迅速かつ容易に特定するための適切なツールを求めています。自動車のさまざまなシステムの性能を解析する診断ツールは数多くありますが、ほとんどの場合オシロスコープが含まれており、さまざまな電圧を表示して、テスト・エンジニアがボンネット内のさまざまな電気部品のトラブルシューティングを行うのに役立っています。
オシロスコープは、1970年代に自動車業界で点火系の解析において初めて使用されました。それ以来、オシロスコープは、センサやオルタネータのトラブルシューティング、圧力テストなど、あらゆるワークショップで使用される重要なツールになりました。今日の自動車はますます高度になっており、車両システムの複雑さは増すばかりで、ハイエンドの専用オシロスコープがますます欠かせないものになっています。
テクトロニクスが最近発表した2シリーズMSO(ミックスド・シグナル・オシロスコープ)は、これまでで最もコンパクトで携帯性に優れたオシロスコープとして、多くの産業分野でニーズが高まっています。2シリーズMSOは、ベンチレベルの性能をポータブル・スコープで実現しており、新しいユーザ体験を提供するとともに、現場でのデバッグの容易さ、優れた確度、再現性が実現します。
このブログでは、自動車業界のお客様向けの2シリーズMSOの特長に焦点を当てた、3回のブログのうちの1つであり、新しい2シリーズMSOのポータビリティ、オシロスコープの管理のしやすさの向上による、自動車業界におけるテスト体験の改善についてご紹介します。
オシロスコープを現場に持ち出す
オシロスコープは、多くの自動車専門家にとって日常的に必要なものですが、その操作方法は常に簡単であったわけではありません。オシロスコープは、従来、主に据え置きのエンジニアリング・ベンチで使用される、強力なテスト/計測機器でした。そのため、オシロスコープを据え付けたまま車を走らせなければならないことが多く、診断テストが非常に困難、あるいは不可能な場合があります。例えば、ヨーロッパに拠点を置く大手OEM(相手先ブランド製造)の例を見てみましょう。
課題:自動車の電動化に取り組む企業のエンジニアは、従来のベンチ・タイプのオシロスコープを使ってテスト車両を解析していました。研究室の作業ではオシロスコープが機能していましたが、現場では大きく、重いものでした。また、走行中も積極的にオシロスコープを使う必要があり、テスト車両の低電力インバータの容量はデバイスを動かすのがやっとであり、必要な測定を得るのはかなり困難でした。
解決策:テクトロニクスは、このOEM企業にNDA(秘密保持契約)の下で2シリーズMSOを貸し出し、同社のエンジニアはすぐに現場でそれを活用しました。寸法、質量、使いやすさの違いは明らかで、エンジニアはフロント・シートのすぐそばにオシロスコープを安全に置けるようになりました。最長8時間のバッテリ駆動が可能で、オシロスコープに電源を供給しながら、重要な試験データを同時に記録できることがエンジニアには好評でした。
2シリーズMSOのポータビリティは、自動車産業やそれ以外の分野に好影響を与える、重要な機能のひとつに過ぎません。次回は、新しいオシロスコープのリモート制御機能と、TekScopeとTekDriveソフトウェアがどのようにお客様のコラボレーションと生産性を向上させるかについて紹介します。
2シリーズMSOの詳細、よりコンパクトで携帯性に優れたオシロスコープがお客様のビジネスにどのように貢献するかについては製品ページをご覧ください。