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自動車SENTセンサ・バスのトラブルシューティング
SENT通信|センサ・バスのトラブルシューティング
SENT通信とは?
SENT通信(SAE J2716としても知られる)とは、センサ・データをECUにコスト効率良く正確に伝達するための方法であり、アナログPWMに比べて利点があります。業界で利用されているパルス幅エンコーディングは信頼性に優れていますが、手作業でデコードするのは大変です。自動デコード/トリガ機能をオシロスコープに追加すれば、トラブルシューティングが簡単になります。
SENT通信バスの動作原理
SENTは2つの立下りエッジ間を4ビットのニブルとしてデータを伝送するため、Single Edge Nibbleという名前になっています。 SENT通信バスのタイミングはTick単位で測定され、各Tick(1Tick)は一般的に3μs幅です。 各ニブルは最低5 Tick幅のロジック・ローで開始し、次に可変長のロジック・ハイの期間が続いてエンコードされたデータ値を表します。 0000のバイナリ値は、12 Tickのロジック・ハイとして表わされます(コーディングされます)。 0001のバイナリ値は、13 Tickのロジック・ハイの期間で表わされ、同様に1111のバイナリ値は27 Tickのロジック・ハイの期間で表されます。
- 電気シグナリング:1本の信号線、+5V電源ライン、グランド線
- 信号レベル:ローで0.5V未満、ハイで4.1V以上
- データ・レート:最高30 kbps
Fast ChannelのSENT通信メッセージをデコード
SENTのFast Channelメッセージは同期パルスで始まり、同期パルスでは連続する2つの立下りエッジ間の時間は56クロックTickです。 SENT通信メッセージは32ビット長であり、以下の構成になります。
- 4ビットのステータス/通信情報(12~27 Tick)
- 6つの4ビット・ニブル・データ(1つまたは2つの測定チャンネルを表し、ニブルあたり12~27 Tick)
- 4ビットのエラー検出用CRC(12~27 Tick)
Slow Channel SENT通信メッセージのデコード
SENT通信規格はSlow Channelメッセージもサポートします。16または18の連続したFast Channelメッセージにおける4ビット・ステータス/シリアル通信ニブルのビット2、ビット3で、一度に1~2ビットのデータを伝送します。このビットが、16または18の連続したFast Channelフレーム分累積されてSlow Channelメッセージになります。
SENT通信バスのデコードとトリガのためのオシロスコープ・セットアップ
SENT通信バスは、シングルエンド、グランド基準の信号です。標準アクセサリのシングルエンド・プロ-ブでバスを取込み、デコードすることもできますが、差動プローブを使用すると信号忠実度が増し、ノイズ耐性が上がります。
SENT通信バスのデコード/トリガ機能を装備したテクトロニクスのオシロスコープの場合、前面パネルのBusボタンを押すと、オシロスコープ入力をバスとして設定できます。パケット・データをデコードするには、以下の基本パラメータを入力します。
デコードされたSENT通信バスの表示
時間相関のとれた波形とバス・デコードの表示は、システムのタイミング関係を見る際に便利です。デコードされたバス波形は、以下を含むSENT Fast Channelメッセージの要素を示します。
- 同期パルス
- ステータス・ニブル
- データ
- CRC
- ポーズ(該当する場合)
Slow Channel SENT通信メッセージの解釈
デコードされたSENT通信バスは、一つの波形表示でFast ChannelとSlow Channelの両方のチャンネル・パケットが表示され、Slow ChannelはFast Channelの下に表示されます。
SENT通信バスのトリガと検索
バス・トリガにより、特定のバス・イベントに基づいてすべての入力信号を取込みます。このイベントは、トリガ・ポイントの位置になります。5シリーズMSOは、以下の項目にトリガできます。
- パケットの開始
- Fast Channelデータ
- ポーズ・パルス
- エラー
バス・トリガと同様、取込んだすべてのデータを検索し、特定の値に一致するバス条件を検出します。
SENT通信バスの関連資料
ベンチに最適な小型サイズに最大6チャンネル
4シリーズMSOミックスド・シグナル・オシロスコープ
- 13.3型HDディスプレイ:複数の波形とデコードされたバスを表示
- 4または6のFlexChannel®入力により、さまざまなシステム観測が可能
- 特定のバス・トラフィックまたはエラーを見つけるための、汎用性に優れたトリガと検索機能
従来にない優れた可視性をECU設計に提供
5シリーズMSOミックスド・シグナル・オシロスコープ
- 15.6型HDディスプレイ:複数の波形とデコードされたバスを表示
- 4、6、8のFlexChannel®入力により、さまざまなシステム観測が可能
- 特定のバス・トラフィックまたはエラーを見つけるための、汎用性に優れたトリガと検索機能
小型でありながら優れたポータビリティと性能を発揮
2シリーズMSOミックスド・シグナル・オシロスコープ
- 周波数帯域:70 MHz~500 MHz
- 2チャンネルまたは4チャンネルのアナログ入力と16チャンネルのデジタル入力(オプション)
- 10.1型静電容量式タッチスクリーン式ディスプレイ