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フィードバック

三相電力システムの測定と解析は、単相システムよりも本質的に複雑です。可変周波数モータ駆動のようなパルス幅変調(PWM)をベースとしたパワー・コンバータは、PWM信号のフィルタリングやトリガが困難なため、測定はさらに複雑になります。

デバッグや検証の段階では、その汎用性とスピードの高さからオシロスコープが最もよく使用されます。スイッチング・パワー・コンバータや制御回路の性能を正確に測定することができます。適切なプローブを使用すると、広い範囲、高帯域で測定できます。

専用の三相インバータ・モータ駆動解析ソフトウェアを備えており、高速で再現性の高い解析を行えます。

可変周波数制御(VFD)の動作

一般的なモータ駆動システムは、駆動部や電力変換部に供給される三相AC入力によって駆動されます。

駆動部には、主に以下の3つのブロックで構成されます。

  • AC-DCを変換する整流器
  • DCバス
  • DC電圧をAC信号(多くの場合はPWM波形)に変換するDC-ACインバータ

この図には示されていませんが、フィードバック・ループと制御ロジックがモータの負荷を監視し、駆動系を調整してトルクと速度を制御します。これにより、無負荷から最大負荷まで、さまざまな条件でモータを駆動することができます。

三相インバータ・モータ/ドライブ解析データ・シート

Functional diagram of a variable frequency drive (VFD) – Fluke Corporation
Oscilloscope screen images showing a phasor diagram and 3-phase harmonics compared to IEEE-519 limits

三相ライン測定

研究室では、三相ACラインから供給されるエネルギーを機器がどのように消費するかを把握するために、電力品質測定が行われます。

電力品質測定では、通常、以下のような項目が各相について測定されます。

  • 電圧および電流のRMSと振幅
  • 有効電力、無効電力、皮相電力、位相角、力率
  • 周波数

RMS電圧と電流の数値的な読み値に加えて、フェーザ図(左図)を使用すれば、電圧と電流の関係をすばやく観測できます。力率に影響を与える不均衡や位相シフトも一目で明らかになります。

力率は、エンド・ユーザの光熱費に直接影響を与えるため、あらゆる産業機器にとって重要な仕様値となります。ドライブの中には、力率を制御するためにアクティブ回路を搭載したものがあります。

高調波は、エンド・ユーザーのシステムの全体的な効率性や信頼性にも影響を与える可能性があります。このため、高調波歪みはしばしば規制の対象となります。左の図はIEEE-519の制限値を示した高調波バーチャートです。マージン・テストには、ユーザ定義の制限値を使用することができます。

オシロスコープでのフェーザ図の使用の詳細を見る

リップル解析

リップルは、一定のDC成分上に残留する不要なAC電圧として定義されます。一般的にはDCバスで測定されます。この測定は、入力側のAC-DCから出力側のPWM信号への不要成分の影響や、入力側のAC-DCから出力側のPWM信号への変換効率を把握するのに役立ちます。

ライン・リップル測定は、設定されたライン周波数でのRMS値、および設定された位相の時間領域波形のp-p値を、またスイッチング・リップル測定は、設定されたスイッチング周波数でのRMS、および設定された位相の時間領域波形のp-p値を測定します。

Ripple measurements on the DC bus of a variable frequency drive on an oscilloscope
D and Q control vectors being calculated from measurements of motor drive output waveforms

DQ0:Direct Quadrature Zero

ベクトル制御システムは、クラーク変換とパーク変換を使用して、三相信号をDおよびQ制御ベクトルに簡素化します。これらのベクトルを測定可能にすることで、制御システムが期待どおりに機能しているかを確認できるようになります。残念ながら、これらの重要な変数は、多くの場合制御システム内の深い所でリアルタイムに計算されるため、外部信号として取り出されることはありません、 

テクトロニクス5/6シリーズ・オシロスコープのDQ0測定(Opt. IMDA-DQ0)では、信号処理を利用して、ドライブの出力信号に基づいたDおよびQベクトルの計算を行っているため、実際のパフォーマンスと期待されているパフォーマンスを比較することができます。 結果は、フェーザ表示、変換された波形、およびスカラ値として表示されます。 

DQ0の結果は、フェーザ表示、変換された波形、およびスカラ値として表示されます

ドライブ出力測定

効率はモータ駆動システムの全体的な性能を示す指標として重要な測定値の一つです。

効率は入力電力に対する出力電力の比率を測定します。各相の効率とシステムの総効率(平均)を計算して表示します。効率測定では、8チャンネル・オシロスコープで、2V2I構成(2ワットメーター法)を使用します。

Efficiency measurements on a variable frequency drive based on input power and PWM output power, using 2-wattmeter method on an 8-channel oscilloscope
Hall sensors may be used to measure and plot motor speed, direction and acceleration.

機械解析

IMDA機械解析グループ(Opt. IMDA-MECH)は、モータの角度、速度、加速度、方向を追跡するためのホール・センサ、レゾルバ・センサ、直交エンコーダ・インタフェース(QEI)センサに対応しています。測定の設定は、いくつかの簡単な設定で行います。

測定は、受動プローブ、差動アナログ・プローブを使用して行うことができます。他の信号で使用するアナログ・チャンネルを確保するために、8チャンネルのTLP58型ロジック・プローブを使用して、ホール・センサやQEIセンサの測定を行うこともできます。

速度の測定値はプロットされ、モータの起動シーケンスや、長時間における減速を確認することができます。ヒストグラム・プロットでは、測定された速度のジッタ・プロファイルに関する情報が得られます。

IMDA-MECHは、リアルタイムのトルク測定に関する2つの方法(トルク・センサまたはロード・セル、および電機子電流)に対応しています。電機子電流での方法を使用するときは、RMSモータ電流に定数を適用することでトルクが計算されます。システムの機械的出力の計算や表示は、トルク値と速度値を使用して行われます。

電気的出力は、電圧と電流の測定値を使用して、ドライブ回路の入力から求めることができます。アプリケーションは、ドライブ出力のトルクと速度の測定値を使用することで、機械的出力と電気的入力の比率を測定し、システム全体の効率を測定できます。

三相VFDのトラブルシューティングと特性評価のリファレンス・システム

オシロスコープを用いた3相テスト・システムにより、VFD回路を観測しながらシステム・レベルの測定が行えます。高いサンプル・レートと長いレコード長を備えており、Hz~GHzまで広範囲な信号を詳細に測定できます。このアプリケーションでは豊富なプローブを選択できますが、優れたシステムの一例を紹介します。

5シリーズ B MSO
8チャンネル/12ビットADCの機種を推奨

オプションIMDA1
5シリーズ B MSOによる三相測定を自動化

THDP0200型(×3)
高電圧差動電圧プローブ(100MHz、最大1,500V)

TCP003A型(×3)
30A AC/DC電流プローブ

クイック・デモを視聴する

A system for measurements on 3-phase variable frequency drives includes an 8-channel oscilloscope, analysis software, 3 high-voltage differential probes and 3 current probes