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5/6シリーズMSO用Ethernet電気テスト・ソフトウェア
Opt. 5-CMENET/6-CMENETアプリケーション・データ・シート
5/6シリーズMSOで1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T PHY測定/解析を実施すれば、Ethernet設計を詳細に解析できます。オシロスコープ、解析ソフトウェア(Opt. 5-CMENET/6-CMENET)、さまざまなアナログ・プローブを組み合わせることで、詳細かつ正確な振幅/タイミング測定が行えます。5/6シリーズMSOは12ビットのA/Dコンバータを装備しており、正確な測定データが得られます。
Opt. 5-CMENET/6-CMENETは当社の5/6シリーズMSOオシロスコープ専用の規格対応アプリケーションです。このアプリケーションにはコンプライアンス測定の機能も含まれており、新しいレベルのデバッグ、効率、測定確度を可能にします。Opt. 5-CMENET/6-CMENETは、Ethernet規格であるIEEE 802.3/ANSI X3.263のさまざまな測定項目に対応しており、優れたジッタ/タイミング/信号品質測定機能を備えた5/6シリーズMSOオシロスコープの機能を拡張します。
主な特長
- 複数のスピードをサポートした包括的なEthernet物理層のテスト
- 高度に最適化された直感的なユーザ・インタフェースによるすばやいテスト構成と電気信号の検証
- 正確な解析、優れたインターオペラビリティのためのコンプライアンス・テストとマージン・テスト
- 1台の計測器による時間/周波数ドメインの測定
- フィルタあり/なしで行うジッタ/タイミング測定
- トランスミッタ性能のための振幅、ドループのテスト
- テスト結果、パス/フェイル、テスト・マージン、テスト固有の波形イメージを含む詳細なテスト・レポート
- テスト・パラメータとリミットの設定によるデバッグと特性評価
- 複数のテスト構成と結果の解析
- テストを実行する前にテスト・モード波形のプレビューが可能
- 1000BASE-Tの歪みテストでは、ピーク歪み対位相オフセット、エラー値対シンボル番号のプロットも可能
Ethernetのコンプライアンス・テストには、次のような測定上の問題点があります。
- 実際のノイズと同じようなパターン・データとノイズを再現した障害信号を生成できるツールが必要
- Ethernet規格に準拠した振幅、タイミング、リターン・ロス、テンプレート測定が必要
- 100BASE-TX規格には、ポートごとに12種類のテストとCMRRが規定されている
- 1000BASE-T規格には、ポートごとに80種類のテストとBER、CMRRなどが規定されている
- 10BASE-T規格には、ポートごとに固有の22種類のテストとフォールト トレランス、CMRRなどが規定されている
- それぞれのテストには数多くの種類があるため、コンプライアンス・テストには数多くのセットアップ、長時間の測定が必要であり、再現性の高い測定を行なうことは困難
Ethernet物理レイヤの自動コンプライアンス・テスト
Opt. 5-CMENET/6-CMENETを使用したTekExpress Ethernet自動電気テストには、少なくとも1GHzの周波数帯域のオシロスコープが必要です。このアプリケーションでは、Ethernet検証のための自動コンプライアンス・テストが可能です。
すべての測定を手動で実行するのは非常に時間がかかります。TekExpress Ethernetソフトウェアは自動化フレームワークを提供しており、接続を変更する必要がある場合などを除き、ユーザの操作を最低限に抑えることができます。
TekExpress Ethernetのテスト項目設定パネル
TekExpress Ethernetソフトウェアは、すべてのテストを実行することも、または特定のトランスミッタ電気仕様に関するテストを選択することもできます。テスト内容は段階的な手順にしたがって構成されます。オシロスコープのセットアップからテストの自動化まで、ソフトウェアのガイドにしたがうだけで正確かつ再現性の高い結果が得られます。パス/フェイル結果、表示波形、データ・プロットなどが記載されたタイムスタンプ付きの詳細なテスト・レポートも生成されます。
ソフトウェアの操作画面は論理的なワークフローになっており、テストのセットアップ、変更、テスト結果のレビューもすばやく行えます。検証テストでは、ケーブル、プローブ、およびフィクスチャ、計測器、被測定デバイス(DUT)の接続を適切に行う必要があります。ソフトウェアでは、それぞれのテストについて、セットアップ手順が画像/イラスト付きで表示されるため、誰にでも正しくセットアップが行えます。
TekExpress Ethernetソフトウェアを使用するには、当社の5/6シリーズMSOオシロスコープとOpt. 5-WIN/6-WINまたはSUP5-WIN/SUP6-WIN(Microsoft Windows 10)が必要です。これはWindowsアプリケーションであり、TekExpress Ethernetソフトウェアやテスト・レポートは、すべてオシロスコープのディスプレイに表示されますが、5/6シリーズMSOに外部モニタを接続して、そこにテスト・コントロールやレポートを表示し、オシロスコープの画面で取り込んだ波形を確認するようにすれば、より快適に作業を進めることができます。
テスト結果が表示されたTekExpress Ethernetの結果パネル
振幅テスト
業界規格では、デバイス間の確実なインターオペラビリティ(相互接続性)のため、信号の振幅範囲が規定されています。振幅テストは信号の速度により異なりますが、ピークまたはピーク・ツー・ピーク振幅、オーバーシュート、コモン・モード電圧、正/負パルスの対称性などのパラメータが含まれます。
タイミング・テスト
信号のタイミング・パラメータも規格で規定されています。テスト項目には、立上り時間、立下り時間、立上り/立下り時間の差または対称性が含まれています。
ジッタ・テスト
ジッタ・テストは、規定のテスト・パターンを使用して、信号エッジのタイミング変動を測定します。ジッタ測定は、デューティ・サイクル歪みやベースライン・ワンダによっても影響を受けます。ジッタは波形の蓄積によって決定され、アイ・クロス・ポイントで蓄積されるポイントの幅で測定されます。ピーク・ツー・ピークは、ヒストグラムの裾の最小値と最大値から推定されます。
テンプレート・テスト
テンプレート・マスク・テストは、伝送された信号が規格の要件を満たすことをすばやく確認するために頻繁に使用されます。これらのテンプレート・マスクは、オーバーシュート、ジッタ、不正な立上り/立下り時間などの信号の歪などでマスク・テストがフェイルになるように定義されています。
TekExpress Ethernetテスト・ソフトウェアによる測定(1000BASE-Tテンプレートを使用)
TekExpress Ethernetテスト・ソフトウェアによる測定(100BASE-T AOIテンプレートを使用)
TekExpress Ethernetテスト・ソフトウェアによる測定(10BASE-T MAUテンプレート・テストを使用)
リターン・ロス・テスト
ケーブル・システムのリターン・ロスは、システムのインターオペラビリティに影響します。Ethernet規格では、入射信号を基準にした反射信号の最小の減衰量が定義されています。リターン・ロス・テストは、通常、100 Ω ±15%の範囲を超えるインピーダンスを測定します。TekExpress Ethernetは、他のテストで使用される5/6シリーズMSOおよびAFG/AWGシリーズなどのツールを使用しながら、規格で規定された85、100、および115 Ω(10BASE-Tでは111 Ω)のインピーダンスに対するリターン・ロス・テストを行なうため、リソースを有効活用できます。
1000BASE-T測定のリターン・ロス・プロット
テスト・レポートの作成
TekExpress Ethernetテストを使用することで、検証を実施するたびに、画像やセットアップ情報を含む詳細なレポートがすばやく生成されます。
テスト・フィクスチャ
TF-GBEシリーズのテスト・フィクスチャは数多くのEthernetコンプライアンス・テストをサポートしており、必要な信号に簡単にアクセスでき、障害信号の正確な除去に必要なテスト・ポイント、リターン・ロス校正、およびクロス接続回路によるトラフィック・ジェネレータやリンク・パートナとの接続を利用できます。TF-GBE-BTPは10/100/1000BASE-Tテスト・フィクスチャのベーシック・テスト・パッケージです。TF-GBE-ATPは1000BASE-Tジッタ・テスト・チャンネル・ケーブルも含むアドバンスト・テスト・フィクスチャ・パッケージです。
TF-GBE-BTPベーシックEthernetテスト・フィクスチャ
主要な測定項目
TekExpress Ethernet電気テスト・ソフトウェアは、以下の主要な測定項目をサポートしています。
1000BASE-T(障害信号テストの有無にかかわらず利用可能)
ディスターバあり/なし
- テンプレートA
- テンプレートB
- テンプレートC
- テンプレートD
- テンプレートF
- テンプレートH
- ピークA
- ピークB
- ピークC
- ピークD
- ドループG
- ドループJ
- 歪み(クロックあり/なし)
- マスタ・ジッタ - フィルタあり/なし(クロックあり/なし)
- スレーブ・ジッタ - フィルタあり/なし(クロックあり/なし)
- コモンモード電圧
- リターン・ロス
100BASE-TX
- AOIテンプレート
- 立上り時間
- 立下り時間
- 立上り/立下りシンメトリ
- 差動出力電圧
- 振幅シンメトリ
- 波形オーバーシュート
- デューティ・サイクルの歪み
- ジッタ
- リターン・ロス
10BASE-T
- リンク・パルス(TPMあり/なし)
- TP_IDL(TPMあり/なし)
- MAUテンプレート
- 高調波
- コモンモード電圧
- 差動電圧
- ジッタ
- リターン・ロス
ご発注の際は、以下の型名をご使用ください。
必須ハードウェア
オシロスコープ | 1GHz以上の周波数帯域を持つ5シリーズまたは6シリーズMSOオシロスコープ(Opt. 5-BW-1000または6-BW-1000) 5-WINまたは6-WIN(Microsoft Windows 10オペレーティング・システムがインストールされたSSD) |
対応計測器 | MSO54型、MSO56型、MSO58型、MSO64型 |
必須ソフトウェア
アプリケーション | Opt. | ライセンスの種類 |
---|---|---|
Ethernet自動コンプライアンス・テスト・ソリューション(1000 BASE-T、100BASE-TX、10 BASE-T) | 5-CMENET 6-CMENET | 新規購入ライセンス |
SUP5-CMENET SUP6-CMENET | アップグレード・ライセンス | |
SUP5-CMENET-FL SUP6-CMENET-FL | フローティング・ライセンス |
推奨プローブおよびアクセサリ
プローブ | 推奨機種 | 数量 |
---|---|---|
差動プローブ | TDP3500 | 2 1 |
TDP1500 | ||
P62472 | ||
P6248 2 |
11000BASE-T(スレーブ)のジッタ・テストでは、差動プローブがもう1本必要です。
2P6247/8型では、適切なTPA-BNCアダプタを使用する必要があります。
推奨テスト・フィクスチャ
テスト・フィクスチャ | ベンダ |
---|---|
TF-GBE-BTP | ベーシックEthernetテスト・フィクスチャ |
TF-GBE-ATP | アドバンストEthernetテスト・フィクスチャ(ジッタ・チャンネルを含む) |
TF-GBE-JTC | 103m、1000BASE-Tジッタ・テスト・チャンネル・ケーブル |
TF-GBE-SIC | ショート(0.1m)RJ-45インターコネクト・ケーブル |
サポートする信号発生器(障害信号出力およびリターン・ロス・テスト用)
- 任意波形/ファンクション・ジェネレータ
- AFG31000シリーズ 1(推奨)、AFG3000シリーズ
- 任意波形ジェネレータ
- AWG5200、AWG5000C、AWG7000C、AWG7000Cシリーズ
1対応機種:AFG31252型、AFG31152型、およびAFG31102型