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校正の監査で不合格になった場合の対処方法について

あなたは、電子計測器が校正され、生産のために利用可能な状態にするべく務めています。何時間もかけて監査人の質問に答えています。しかし、期待した結果は得られず、監査人からは残念な知らせが届きます。監査結果は不合格でした。では、次に何をすればよいのでしょうか。

監査不合格による影響を理解することが、最初の重要なステップです。

誰が、何のために監査を受けるのか?

監査は、好むと好まざるとにかかわらず、認証と認定のプロセスの重要な部分であり、組織がISO 9001、ISO/IEC 17025、IATF 16949などの厳しい規格の要求事項を満たしているか、それ以上であるかを確認するためのものです。半導体、通信、航空宇宙産業などの特定のアプリケーションでは、メーカが適切な業界規格を遵守することが法律で義務付けられていますが、これには十分な理由があります。消費者や軍人の健康、安全に影響を及ぼす製品は、信頼性が高く、期待通りに機能しなければなりません。

製造工程における正確で再現性のある測定は、製品の品質を保証します。正確で再現性のある測定を保証する最善の方法は、製造で使用する電子計測器の定期的な校正にあります。

また、内部監査や業界規格の遵守状況、顧客からの監査などを受けることも少なくありません。いくつもの拠点を持ち、品質管理チームが一元化されている製造業では、内部監査によって適切なプロセスが守られていることを確認し、いざというときに第三者による監査に合格できるようにします。同様に、規制を受ける業界の企業が新しいサプライヤ、サービス事業者を探す場合、新しいベンダを認定するプロセスの一部として監査が行われることがよくあります。

監査不合格がもたらすコスト

半導体、自動車、航空宇宙、通信などの安全が重視されるアプリケーションでは、監査に不合格になった場合のコストは、当初考えていたよりもはるかに大きくなる可能性があります。ここでは、よくある例をいくつかご紹介します。

  • 監査に不合格になると、問題の程度を調査し、是正措置を実施するためにかなりの時間を費やすことになる
  • 監査に不合格になると、元請けのベンダとして承認されないため、評判が下がり、ビジネス・チャンスを逃すという形で長期的な財務的影響を受ける可能性がある
  • その結果、製品のリコール、企業の信用失墜とともに、大きな収益悪化、費用が発生することになる

監査に不合格になった場合の対処

何が問題だったのか?

監査に不合格になった場合の次のステップは、その原因を正確に理解することです。監査で不合格になる場合、以下のような共通点があります。

  • 適切な手順が足りない - 校正作業を行う人は適切にトレーニングされているか。社内に校正室がある場合、管理された環境で校正しているか。正しい校正間隔で実施しているか。社内ラボ、サードパーティのラボも同様に、メーカ推奨の手順、品質システム要件に基づいていることを確認する責任があります。
  • 手順の文書不足 - 手順を文書化しないと、その手順が守られない可能性が高くなります。監査人は、さまざまな品質規格で求められている、正しいプロセスと手順を備えているかどうかを確認します。正しく行っていても、手順を適切に文書化していなければ、監査で不合格になります。
  • 校正記録の保管がしっかりしていない -監査人は、機器がコンプライアンスに適合していることを確認するため、記録を抜き打ちでチェックします。そのため、校正記録がすばやく検索でき、取り出せることが重要になります。監査人が要求する文書の例として、校正証明書、サービス記録、OOT(Out Of Tolerance)調査結果などがあります。

監査人の報告書をよく読み、改善すべき点を確認します。次の監査では、過去に指摘された箇所から始まる可能性が高いので、監査人の懸念事項を理解し、徹底的に対処できるようにします。

セカンド・オピニオンの検討

テクトロニクスなどの信頼と知識のあるサードパーティの校正事業者を検討することは、校正プログラムの問題点を特定し、修正する上で大きな助けとなります。これらのサードパーティのラボには専門技術者とプログラム・マネージャがおり、顧客の監査において校正部分で合格するのを何十年も支援してきた経験があります。サードパーティによる独立した監査実施を依頼し、プログラムの問題点を検証し、文書化してはどうでしょうか。

高品質の校正に必要なことを理解する

社内での校正、あるいはサードパーティによる校正であっても、「適切な」校正には何が含まれるべきかを理解することが重要です。時間を節約するために手を抜いたり、格安の校正プロバイダでコストを削減したくなりますが、質の悪い校正や監査の指摘によって生じる調査、再作業、リコールのコストを覚えておくことが重要です。機器の校正は、単にシールを貼ることではありません。ここでは、質の高い校正を行うためのいくつかの重要な項目をご説明します。

  • 公表されている仕様に対する測定 - メーカが計測器を市場に投入する場合、機能や試験ポイントのリストとともに、推奨される校正手順も公表します。より高度な計測器の場合、数百にも及ぶテスト・ポイントが公表されていることもあります。社内、または校正事業者によってすべての機能、すべてのポイントをテストし、適切に校正されていることが保証されていることを確認します。
  • データの取込み -完全なデータは、作業を行った証拠となるものです。認定校正の場合、各測定値の「As Found」、「As Left」のデータが校正証明書に含まれている必要があります。
  • 校正証明書 - 校正証明書は、国家規格へのトレーサビリティを示す公的な記録文書です。証明書には、ラボの認定機関のロゴ、機器の校正に使用した規格、校正日、測定の不確かさ、および上記の全データが必ず記載されている必要があります。また、サードパーティの校正事業者が、承認された認定範囲内で業務を行っていることを確認することも極めて重要です。ラボの校正規格の能力に基づいて、認定機関は、基本的にラボが特定の機器の校正を行うための資格を与える認定範囲を定めます。

Proper Calibration Procedure

監査に対応した校正プログラムの構築

監査の結果を受け、テクトロニクスのような専門知識のあるサードパーティとともに校正プログラムのギャップを確認し、適切な校正に何が必要かを理解したところで、校正戦略を再評価し、改善計画を策定することになります。

あらためて確認しなければならないことがあります。校正プログラムを適切に管理するための専門知識が社内にありますか。あるいは、適切なサードパーティの校正事業者に依頼しているでしょうか。監査に不合格になる場合、その答えはどちらにも「ノー」である可能性が高いと言えます。

手順や文書が不十分であるという監査の指摘への対処:優れたサードパーティの校正事業者であれば、社内の校正チームを支援するためのコンサルティング・サービスを提供したり、より高度な機器の校正を引き受けてチームの時間を確保したり、あるいは実際に校正プログラム全体を管理したりすることができます。テクトロニクスなどの校正サービスの専門家は、国内および国際規格の認証を受けており、クライアントが監査に合格できるよう、十分に文書化された方針と手順を用意しています。校正プログラムを一から作り直すのではなく、信頼できるサードパーティに機器校正を任せることを検討されてはいかがでしょうか。

校正記録保管不備の指摘への対応:また、多くのサードパーティの校正事業者は、校正状況の追跡やサービス記録、校正証明書の保存に役立つオンライン・ツールへのアクセスを顧客に提供しています。記録のオンライン・データベースにどこからでも即座にアクセスできるため、監査時に監査人の要求にシンプルかつ簡単に対応できます。

校正は、単にステッカーをもらうということではありません。コンプライアンス違反のコストは、質の高い校正、文書化、手順に今投資するよりも、長期的にははるかに高くなります。新しいサードパーティの校正事業者を見つけることが適切と判断した場合は、その事業者の過去の監査実績について質問し、校正する機器の小規模なテストランをセットアップします。こうすることで、校正品質を確保するための独自の小規模監査を行ったうえで継続的なサービスを任せることができます。

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