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テクトロニクスのスペクトラム・アナライザによるEMI/EMCプリコンプライアンス・テストは、Lily MedTech社の「命を救う技術」を人々のもとに届けるという使命を力強くサポートしています。
Sep 26 2019
東 志保氏、Lily MedTech社CEO
東 志保が高校に入学したちょうど一ヶ月後のことです。彼女の母親が悪性の脳腫瘍と診断されました。さまざまな治療法を試みましたが、十分な効果は得られませんでした。闘病も虚しく、1年半後に彼女は亡くなってしまいました。
「母が亡くなって、家族はばらばらになってしまいました
母が亡くなってまもなく、家族は3つの場所に分かれて暮らすようになりました。志保は大学に進学するために東京に転居し、弟もやがて別の街に引っ越していきました。家族が完全に離ればなれになってしまったように感じられました。
自分たちと同じように難病の苦しみに苛まれている家族を助けたい、という強い想いに突き動かされ、志保と隆は2016年、Lily MedTech社を設立しました。
志保は東京で研究員としてのキャリアをスタートさせました。その研究室で現在の夫である東 隆と出会ったのです。やがて志保はアメリカで自分の研究を進めるために離職しました。一方、(同じく研究室を離職した)隆は東京大学に職を得ました。 アメリカから帰国した後、志保は計測器メーカに就職し、エンジニアとして勤務していました。
隆が志保にUSCT(超音波断層撮影:Ultrasound Computer Tomography)プロジェクト・チームへの参加を呼びかけ、共同で研究を進めるようになったのはちょうどその頃のことです。志保がコードを書き、プロジェクト・チームがそれを検証するという形で研究が進められ、やがてこの技術に秘められた大いなる可能性を確信するに至りました。
2016年、彼等はついに自らの会社を立ち上げ、Lily MedTechと名付けました。
Lily MedTech社の新しい三次元映像技術は、痛みや放射線による被爆を伴わない、患者に優しい乳がん検診の実用化への道を拓きました。この技術を活用することで、(20代/30代の女性に多く見られる)デンスブレストでも高い精度で診断ができると期待されています。
「乳がんの早期発見を実現することを通じて、女性とその家族を支援すること。それが私たちの使命です」
「私の家族が経験したような不運に人々が見舞われることがないように、有効な解決策を提供できるという確信。それこそが私たちの原動力なのです」
一般市場を視野に製品化を目指すLily MedTech
すでに3台のプロトタイプが稼働している状況ですが、Lily MedTech社は量産を視野に動き始めています。それには、さまざまな規制要件を満たすために、数多くの新たな試験を導入しなければなりません。リスクも伴います。試験に合格しなければ、製品を販売できません。販売可能な製品を再開発する必要があるかもしれません。
「医療機器となれば当然厳密な検査が求められます。電磁波が放出されていないか正しく評価する必要があります。EMI規制はきわめて厳格なもので、その要件を確実に満たさなければなりません」。
多くの企業にとって、創業間もなければ尚更でしょうが、EMCや放射電磁波の測定に費やされる時間と経費は大きな悩みの種となります。期限が迫る中、厳しいスケジュールと予算に向き合わなければならず、ストレスを感じる時期でもあります。
ノイズ・レベルを測定するためのハードウェアやソフトウェアを探し求めるなかで、Lily MedTech社のエンジニアは、関連するトピックに関するテクトロニクス主催のセミナに参加することにしました。
コンプライアンス・テストに合格するためには、プロトタイプを電波暗室で測定する必要があることは知っていましたが、テクトロニクスのセミナを通じて、特定の距離から測定しておけば、電波暗室での測定値に比例した結果が得られることも知りました。 RSA306 型と EMCVu があれば、EMI/EMCプリコンプライアンス・テストをオンサイトで実施できるのです。
「テクトロニクスのソリューションがあれば、開発を行いながら自社の研究室でプリテストを実施できます。経費もかなり抑えられます。試験にパスできるかどうかを事前に把握できるのです。これは画期的なことです」
RSA306型とEMCVuを使用してオンサイトでEMI/EMCプリコンプライアンス・テストを実施しているLily MedTech社の事例をご覧ください