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優れた信号忠実度で高品質の信号を取得
回転分光法は、混合ガス中の構成分子を正確に同定するとともに、テスト・チャンバ内の化学反応を経時的に研究する能力を提供します。この手法の課題の1つは、スペクトル線の振幅が極めて広いため、アクイジション・システムに極めて高いダイナミック・レンジが要求されることです。研究者はアベレージングを活用してオシロスコープのダイナミック・レンジを拡張し、可能な限り短い時間で数十万回から数百万回の収集を実行するために、オシロスコープにパフォーマンス要求を課しています。
マイクロ波分光法の用途を拡張するために、新しい技術が次々と生まれています。現在、研究者たちは経時的な化学反応解析を重視しています。テクトロニクスは、こうした変化し続けるニーズに対応するために、リアルタイム・オシロスコープで新しい機能を追求しています。
マイクロ波とミリ波信号のダイレクト・アクイジション
回転分光法では、マイクロ波やミリ波をガス・サンプルによって送り、広帯域信号取得システムで受信信号を取得し、時間領域のデータを周波数領域に変換して、取得したデータを特定の分子の理論的スペクトル成分に対してパターン・マッチングを実施することで、実際のガス・サンプルの組成を特定します。テクトロニクスでは、最大70 GHzの信号をダイレクト・アクイジションできるリアルタイム・オシロスコープをご用意しています。これらの計測器を使用すると、アップ/ダウン・コンバータが不要になるため、エラーが発生する可能性のある要素とノイズ・ソースを信号経路から排除できます。

分光器の精細なタイミング分解能モードで得られたCH2CHCNのt = 0で光解離した後の、HCN、HNC、HCCCNのCP-FTmmW信号の時間発展。Journal of Physical Chemistry Lettersに掲載された「Time-Resolved Kinetic Chirped- Pulse Rotational Spectroscopy in a Room-Temperature Flow Reactor」より、許可を得て転載(編集)。Copyright 2018 American Chemical Society.

アクイジション・システムのハードウェア・アベレージングが超高速の計算を実現し、「サマリ・フレームのみ」モードがアクイジション・システム内のデータを大幅に削減するため、アクイジション・ボードからオシロスコープ内のPCマザーボードへの波形データ転送時間が短縮されます。上記2つの機能を組み合わせることで、解析のスループットが大幅に改善されます。
ハードウェアのアベレージング機能とサマリ・フレーム機能を使用して静的サンプルの取得時間を短縮
回転分光法では、取得した信号のダイナミック・レンジを拡張するために、多くの信号アベレージングが必要です。通常、こうしたアベレージングには長いアクイジション時間が必要ですが、テクトロニクスの高性能/超高性能リアルタイム・オシロスコープすべてに採用されている独自の技術により、アクイジション・ボードにハードウェア・アベレージング機能を組み込み、データ収集を高速化しています。
テクトロニクスのオシロスコープには「サマリ・フレームのみ」モードが標準装備されているため、アクイジション・ハードウェアによって全フレームでポイントごとにアベレージングを実行してサマリ・フレームを提供し、ダイナミック・レンジを拡張してS/N比を改善できます。サマリ・フレーム・データのみが必要な場合は、オシロスコープのアクイジション・ボードからオシロスコープ内部のPCシステムへ送信が必要なデータの量を削減することで、時間を大幅に節約できます。たとえば、1,000フレームを送信する代わりにサマリ・フレームのみを送信することで、データ量を1,000分の1に削減できます。
アベレージング時間の短縮とデータ削減により、経時的な化学反応解析を実現
研究が化学反応を経時的に解析する実験へと進化するにつれて、静的なサンプル分析と比べて、収集されるデータ量がさらに増加しています。テクトロニクスは「FastFrame直交アベレージング」モードを開発し、この新たな要件に対処しています。このオシロスコープは、複数のフレーム・セットのアクイジションから平均フレーム・セットを作成することで、アクイジション時間を大幅に短縮します。アベレージングが完了すると、平均フレーム・セットが残ります。すなわち、1,000セットのフレームを取得してアベレージングした場合、1,000のデータを1データに凝縮した平均フレーム・セットが、オシロスコープのPCボードに転送されます。

FastFrame直交アベレージングは、複数のフレーム・セットで効率よくハードウェア・アベレージングを実施し、1つの平均フレーム・セットにします。たとえば、1番目の各フレームは、取得された他のすべての「1番目のフレーム」とともに、ポイントごとにアベレージングされ、「平均化された1番目のフレーム」を生成します。このプロセスは、他のすべてのフレームで繰り返され、わずか6 μSの各フレーム間のギャップ時間により、各連続状態を表す高解像度データが生成されます。

事前補正プロセスは、AWGと付属の同軸ケーブルの振幅と位相応答を測定し、この応答を補正するフィルタを生成して、出力を平坦化するように波形をプリディストーションします。
信号経路の損失と反射に対してデータを補正
スペクトル純度と振幅確度が最も高いデータセットを取得するには、取得したデータを補正フィルタで補正する必要があります。テクトロニクスは、この補正に対処する2つのレベルのソリューションをご用意しています。
Tek AWGおよびTekリアルタイム・オシロスコープを使用すると、自動化プログラムを利用して、プリディストーション・フィルタを生成できます。このフィルタは元のAWG波形データに適用され、「事前歪み」または「事前補正」波形が生成されます。この補正により、AWG出力とオシロスコープ入力間のシステム要素(ケーブル、アップ/ダウン・コンバータ、アンテナなど)による振幅と位相のばらつきが自動的に補正されます。この手法により、AWGで生成される信号が変更されるため、アクイジション効率への影響がありません。
さらに堅固な、シリアル・データ・リンク解析(SDLA)と呼ばれる補正ツールも利用できます。このツールはフィルタを生成し、振幅と位相のばらつきに加えて反射を補正します。SDLAへの入力はSパラメータ・データ(通常はVNAを使用して生成される)で、出力はFIRフィルタです。オシロスコープの演算チャンネルを使用して取得するたびに、オシロスコープ・データに自動的に適用されます。これが最終データ・セットに適用されると、アクイジション効率への影響を最小限に抑えることができます。