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制御ループ解析
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オシロスコープベースの応答測定のセットアップ
電源設計の場合、クローズド・ループ応答測定は、DC付近から数MHzの範囲で行う必要があります。一般的に、応答解析にはベクトル・ネットワーク・アナライザが使用されますが、ほとんどのVNAはメガヘルツ前後の開始周波数でRF測定を行うように設計されています。これに対し、オシロスコープはDCまで測定が可能で、信号の表示機能も優れています。解析中に異常が発見された場合は、すぐにトラブルシューティングできます。
いくつかのテクトロニクスのオシロスコープには、絶縁トランスを介してループのフィードバックに信号を注入できるように、信号源が内蔵されています。2本のプローブを小さな抵抗値のインジェクション抵抗に接続することで、解析ソフトウェアが必要とするすべての情報を得ることができます。スティミュラス入力と応答の振幅を測定してゲインを計算し、入力と応答の間の位相遅れを測定します。
自動制御ループ応答測定のためのシステムは、一般に次のように構成されます。
- 適切な周波数帯域を持つオシロスコープ
- 電源周波数応答測定自動化ソフトウェア
- 低減衰・低容量プローブ(2本)
- 正弦波ジェネレータ
- DUTから正弦波ジェネレータを分離するためのフラットな応答を持つトランス
制御ループ測定に最適なプローブ特性
制御ループがオーバードライブしないように、注入信号の振幅を低く保つ必要があります。また、最高の感度が得られるように、プローブの減衰を最小限に抑える必要があります。同時に、プローブ負荷による影響は最小限に抑えなければなりません。TPP0502型などの耐久性に優れた低減衰、低容量の受動プローブは、減衰比が2:1、2MΩ、13pFの負荷という特性を備えているため、これらの測定に適しています。
ボード線図による安定度の測定
急激な変化があると、電源制御ループに高周波が発生します。電源は素早く反応しなければなりませんが、ゲインを上げすぎると、リンギングや発振が発生します。
位相シフトが-180°に近づくにつれて、ループのゲインが正(≧1)になり、不安定度が増します。このような状況下では、ループに正のフィードバックが発生するため、不安定になります。ボード線図を使用すると、同じ周波数スケールでゲインと位相が示されるため、こうした望ましくない状況にどの程度近づいているかを把握できます。ボード線図から得られる2つの測定値(位相マージンとゲイン・マージン)は、制御ループの安全マージンの尺度となります。
位相マージンとは、システムが不安定な状態(-180°、ユニティ・ゲイン)からどれだけ離れているかを位相の程度で表したものです。これは、ゲインが0dB(ユニティ・ゲイン)に接近するときに、ループが許容できる位相シフト量を表します。
ゲイン・マージンとは、システムが-180°およびユニティ・ゲインからどれだけ離れているかをゲインのdBで表したものです。これは、位相シフト=-180°のときに、0dBに達する前に加えられるゲインの量に相当します。
制御ループ内に十分な位相/ゲイン・マージンを維持することで、電源が不安定に近い状態で動作することがないようにします。
制御ループ解析システム
システムの構成を簡素化するために、テクトロニクスは、電源設計の安定度を測定するために必要な主要な機器とソフトウェアを組み合わせた、制御ループ解析キットを提供しています。キットは、5シリーズおよび6シリーズのMSOオシロスコープを中心に構成されており、低減衰受動プローブと自動制御ループ測定ソフトウェアが含まれています。