お問い合わせ
ダウンロード
マニュアル、データシート、ソフトウェアなどのダウンロード:
フィードバック
PAM4トランスミッタ解析ソフトウェア
特長
PAM4トランスミッタ解析ソフトウェア・アプリケーションは、DPO/MSO70000DX/SXシリーズおよびDPO/DSA/MSO70000シリーズ・オシロスコープの機能を拡張し、4値パルス振幅変調(PAM4)デバイス/インタフェースのトランスミッタ/チャンネルの電気/光測定機能を可能にします。
- PAM4電気/光信号のデバッグと検証に最適な統合型アプリケーション
- PAM4電気/光信号の解析/デバッグに必要なすべての機能を集約
- ダッシュボード・スタイルの構成パネルを使用して、PAM4解析に必要なすべてのパラメータをすばやく、簡単に構成できる
- クロック・リカバリ機能の強化
- ソフトウェアにより、高性能なクロック・リカバリ機能が実装されており、極端に弱まった信号にも対応できる
- 構成可能なベッセル-トムソン(B-T)フィルタ
- 測定対象のレシーバの帯域幅に合わせて、柔軟な調整が可能で、手動で行うことも、あるいは検出されたデータ・レートに基づく自動調整も選択可能
- 波形フィルタを使用することで、テスト・フィクスチャ・モデルまたはチャンネル・モデルに基づいたエンベッド/ディエンベッドが可能
- 自動コンフィグレーション
- スレッショルド、シンボル・レート、パターンのタイプおよび長さが自動検出されるため、コンフィグレーションが容易
- シンボル/ビット・エラー・ディテクタ
- クロック・リカバリ、アイ中心点、シンボルの期待値のエラーを検出して、アノテーションを表示し、個別にナビゲートできる
- 複数のアクイジション・サイクルを対象とした累積SER(Symbol Error Rate)/BER(Bit Error Rate)測定
- レシーバ・イコライゼーションの統合
- 取り込まれた波形にCTLE/FFE/DFEイコライザを適用することで、閉じたアイを開ける
- タイプの異なるレシーバ設定をモデル化することで、What-if分析が行える
- 規格ベースのイコライゼーション・プリセットをサポート
- ジッタ測定とアイ解析
- PAM4のアイの総合的な特性評価により、規格に準拠したデバッグ/解析が可能
- ISIの影響を分離し、相関のとれたアイを使用することで、レシーバ・イコライザーションの潜在的効果の表示が可能
- 12種類のPAM4遷移のすべての立上り/立下り時間を測定可能で、PAM4信号のそれぞれの遷移タイプごとに、詳細な解析が可能
- 複数のアクイジションにわたって、目的のシンボル母集団を自動的に取り込めるなど、柔軟なコントロールが可能
- ノイズ解析とBER等高線
- アイの幅と高さの解析(OIF-CEI規格に準拠、または独自に設定した目標BERも使用可能)
- アノテーション付きのアイ・ダイアグラムによる、BER等高線と幅/高さの測定位置の表示
- SNDR解析
- 複雑なPAM4の電気トランスミッタ測定を自動化できるため、特性評価に最適
- TDECQ解析
- 複雑なPAM4の光測定を自動化できるため、光トランスミッタの垂直アイ開口の特性評価に最適
- プロットとレポート
- 豊富なナビゲーション機能を備えたプロット・ツールにより、測定結果の視覚化と詳細な解析が可能
- 測定に関連したコンフィグレーション情報、測定結果、およびプロットが網羅され、1つのファイルに集約された、読みやすく、共有も容易なHTMLレポート(MHTML形式)
- 複数のアクイジションを対象とした測定結果を集約して、1つのCSVファイルにエクスポートできるため、より詳細な解析が可能
アプリケーション
- PAM4電気/光信号のデバッグ、解析、特性評価
- OIF-CEIおよびIEEEベースのPAM4規格(OIF CEI-VSR-56G-PAM4、802.3bs、CDAUI-8など)に準拠した特性評価
PAM4の概要
NRZ信号の周波数成分は、ビット・レートの増加とともに、直線的に増加します。PAM4の信号方式では、同じデータ・レートでも、NRZの半分しか帯域幅を必要としません。400G Ethernet規格では、インタフェースの種類(電気または光)を問わず、データセンタの需要やネットワーク・トラフィックの増加を見越して、PAM4の信号方式が採用されています。
ここでは、説明の便宜上、線形符号化が使用されているが、実際にはグレイ・コードが使用されることが多い
PAM4では、シンボルが4つのレベルで表現されるため、信号が複雑になっており、テスト方式には、新たな要求が突きつけられています。PAM4解析ツールは、PAM4設計を検証する作業を効率化するために、いくつかの測定/視覚化機能を提供しています。
PAM4測定の構成
PAM4解析ツールの内部にあるダッシュボードは、構成パネルの機能を備えており、PAM4解析の実行に関係するほとんどの要素の構成に使用できます。パネルでは、測定ソースの選択、クロック・リカバリ、スレッショルド、ベッセル-トムソン(B-T)フィルタ、イコライゼーションなどの機能を設定できます。また、波形フィルタを使用して、チャンネルのエンベッド/ディエンベッドも行えます。
クロック・リカバリ
構成可能なPLL(位相ロック・ループ)クロック・リカバリ機能では、極度に弱った信号であっても、シンボル・クロックが正確に抽出されます。リファレンス・チャンネルにエクスポートすることで、再構成されたクロック波形を表示できます。
チャンネル・エンベッド/ディエンベッド
波形フィルタ・オプションを使用することで、異なるチャンネルでエンベッドおよびディエンベッドできます。以下のように活用できます。
- テスト・フィクスチャの影響をディエンベッドすることで、トランスミッタ出力における信号を可視化する
- チャンネルをエンベッドすることで、レシーバ入力における信号を可視化する
イコライゼーション
測定を実行する前にアイを開くために、レシーバ・イコライゼーションを適用しなければならない場合があります。多くの場合、レシーバ回路に直接アクセスすることは困難なため、動作検証、クロック・リカバリやイコライゼーションの影響をモニタすることは簡単ではありません。
PAM4ツールのイコライザは、さまざまな便利な機能を備えています。
- 独自に定義した極/ゼロ点、または規格に基づくプリセットを使用した、CTLEの適用
- 長さの設定が可能で、自動的に選択されたタップ値も使用できる、FFEまたはDFEの適用
- 選択されたタップ値の観測
測定項目の選択
新しい選択パネルでは、PAM4信号の電気測定または光測定を選択できます。
さらに選択リストを使用することで、測定項目の選択や表示の設定が行えるため、使いやすさと作業効率が向上します。
自動設定機能
PAM4解析アプリケーションは、信号のシンボル・レートとパターンを自動的に検出し、アイ・ダイアグラムに基づいて、適切なスレッショルドを選択できます。すばやく、誤りのないセットアップが可能で、さらに信号の主要な特性も確認できます。
PAM4測定
PAM4解析パッケージは、包括的な測定機能を提供しており、信号特性の詳細な解析や、PAM4設計の効率的な検証、または特性評価が行えます。
以下のリストには、PAM4電気/光トランスミッタの特性評価を有効にしたときにサポートされる、IEEE(802.3bs/cd)およびOIF-CEI規格に基づく測定、またはSNDR/TDECQ測定も含まれています。
PAM4光測定 | |
---|---|
エラー解析 | シンボル・エラー |
SER | |
BER | |
リニアリティ | |
ジッタ | Rj |
Dj | |
Tj@BER | |
アイの統計解析 | 垂直アイ開口 |
EW6/EW5 | |
EH6/EH5 | |
Vupp/Vmid/Vlow | |
Hupp/Hmid/Hlow | |
光 | ER |
OMAOUTER | |
AOP 1 | |
RIN × OMA 2 | |
IEEE固有 | TDECQ |
送信電力(OMAOUTER-TDECQ2 | |
相関波形 | レベル偏差 |
レベルの平均幅(Level Thickness) | |
時間偏差 | |
立上り/立下り | |
データ・レート | シグナリング・レート |
PAM4電気測定 | |
---|---|
エラー解析 | シンボル・エラー |
SER | |
BER | |
リニアリティ | |
ジッタ | Rj |
Dj | |
Tj@BER | |
アイの統計解析 | 垂直アイ開口 |
EW6/EW5 | |
EH6/EH5 | |
Vupp/Vmid/Vlow | |
Hupp/Hmid/Hlow | |
SNDR | SNDR |
Pmax | |
σ e | |
σ n | |
OIF-CEI | UUGJ |
UBHPJ | |
EOJ | |
IEEE固有 | Jrms |
J4 | |
EOJ | |
立上り時間 | |
立下り時間 | |
SNR_ISI | |
相関波形 | レベル偏差 |
レベルの平均幅(Level Thickness) | |
時間偏差 | |
立上り/立下り |
1オフ・トランスミッタの平均送信電力に対応しています(IEEE 802.3bs/cdに準拠)。
2この測定は2018年12月まで利用できません。
波形全体および相関波形の解析
すべてのユニット・インターバルを、取り込まれたPAM4信号にオーバーレイすることにより、波形全体に対して解析を実行できます。ジッタ解析は、リンク内の個々のアイ、およびBER/アイ等高線に対して実施されます。どちらのテストも、あらゆるタイミング位相と基準レベルで、閉じたアイを同時に解析するのに役立ちます。
相関のとれた波形およびアイを表示することで、イコライゼーションを通じてどの程度のアイ開口が理論的に達成可能であるがを推測できます。等価時間サンプリング・オシロスコープに見られるのと同様のツールおよび方式を使用して、相関波形を解析できます。多くの高性能通信規格では、相関データへのアクセスが前提とされています。PAM4解析アプリケーションでは、相関/合成されたアイ/ダイアグラムを効率的にモデル化できます。
立上り/立下り時間解析
個々の遷移の立上り/立下りを解析することで、線形障害(帯域幅、ISI)と非線形障害(スルーレート制限、クリッピング)を切り分けることができます。また、イコライザーション・アルゴリズムの高度なチューニングも可能になります。PAM4解析ソフトウェアでは、PAM4アイ内部の6種類の遷移のそれぞれについて、立上り/立下り時間の最大/最小/平均を観測できます。
データの可視化
豊富な種類のプロットを使用して、測定データを可視化できます。プロットを解析することで、より詳細な信号特性が明らかになるため、デバッグにも役立ちます。
プロット・ツールセットを活用すれば、より細やかにプロットを操作できるため、関心のある領域を重点的に検証するなど、より詳細な解析が可能になります。
エラー・ディテクタ
PAM4解析ツールは、エラー・ディテクタを内蔵しているため、現在のソース波形のシンボル・エラーを個別に特定できます。特定されたエラーは、専用のエラー・ナビゲータ・ウィンドウに表示されます。
エラー・ナビゲータは、いくつかの便利な機能を備えており、エラーの位置にすばやく移動し、ズームできます。検出されたエラーに関しては、以下の情報も表示されるため、リンク上のシンボル・エラーのデバッグに役立ちます。
- リカバリされたクロックの位置
- シンボル・エラーの基準となったしきい値の位置
- シンボルの期待値の表示
- シンボルの実測値の表示
詳細なテスト・レポートとデータ・エクスポート機能
測定結果をテスト・レポート形式で保存できます。レポートには、オシロスコープの設定、アプリケーションの設定、測定結果、プロットなどが含まれており、読みやすく、共有に適したフォーマットで提供されます。
複数のアクイジションを対象とした測定結果を、1つのCSVファイルにエクスポートすることで、より詳細な解析が行えます。
詳細な波形測定の結果
測定された波形アイ・ダイアグラム
DPO7OEシリーズ光プローブ
DPO7OEシリーズ光プローブは、高速シリアル・データ信号用の光リファレンス・レシーバとして使用できるほか(選択可能なベッセル-トムソン(B-T)ORRフィルタを使用可能)、使いやすいO/Eコンバータとして、一般的な広帯域光信号のアクイジションにも使用できます。DPO7OEシリーズは、DPO/MSO70000 C/DX/SXシリーズに対応しています。TekConnectチャンネルに接続することにより、最高33GHzの周波数帯域に対応できます。また、ATIチャンネルに接続することにより、DPO7OE1型は最高42GHz、DPO7OE2型は最高59GHzという優れた電気的応答性を実現します。
DPO7OE1型33GHz光プローブ
ご注文の際は以下の型名をご使用ください。
テクトロニクスDPO/MSO70000(Win7)シリーズ・オシロスコープ用PAM4トランスミッタ解析ソフトウェア
- 新規にDPO/MSO70000シリーズ・オシロスコープをご購入される場合
型名 Opt. 概要 DPO/MSO70000DX/SX PAM4 電気信号用PAM4解析ソフトウェア DPO/MSO70000DX/SX PAM4-O 光信号用PAM4解析ソフトウェア
- DPO/DSA/MSO70000シリーズ・オシロスコープをすでに使用されている場合
型名 Opt. 概要 DPO-UP PAM4 電気信号用PAM4解析ソフトウェアのアップグレード DPOFL PAM4 - 電気信号用PAM4解析ソフトウェアのフローティング・ライセンス DPOFT PAM4 - 電気信号用PAM4解析ソフトウェアの試用版ライセンス DPO-UP PAM4-O 光信号用PAM4解析ソフトウェアのアップグレード DPOFL PAM4-O - 光信号用PAM4解析ソフトウェアのフローティング・ライセンス DPOFT PAM4-O - 光信号用PAM4解析ソフトウェアの試用版ライセンス
Note: PAM4解析ソフトウェアは、www.tektronix.comからダウンロードしていただけます。ソフトウェアを有効にするには、キー・コードが必要です。
必須オプション
- DJA
- DPOJETジッタ/アイ・ダイアグラム解析ソフトウェア
- DJAN
- DPOJETノイズ解析ソフトウェア
- SDLA64
- SDLA Visualizerによるチャンネル・ディエンベッド、エンベッド、およびイコライゼーション
推奨プローブ
- DPO7OE1
- 33GHz光プローブ
- DPO7OE2
- 59 GHz光プローブ